「しかたがない」と思っていませんか?

理学療法士:その不調・体型・歩行、身体に関することで困っているあなたに届きますように。

脊柱管狭窄症-手術後-

 

脊柱管狭窄症は痛みやしびれが強く、手術する前の症状が大変だった方がほとんどだと思います。

特に強い痛みを持っていた方が多いのではないでしょうか。

手術をすることで痛みがなくなった・減った事は本当に何よりだと思います。

痛みがない生活はほんとに楽ですよね。

 

ただ、再発の可能性があることもご存知ですか?

手術をすることで負担がかかっていた神経の圧迫は取ることができます。

ですが、神経に負担をかけていた理由は手術では取れないことが多いです。

再発予防や今後の体の負担も考え参考にしていただければ良いかと思います。

 

 

 

なぜ神経の圧迫が起こったのか

 

脊柱管狭窄症のしびれ・痛みは、神経の通り道が狭くなることで起こることが多いです。

神経の通り道が狭くなる理由としては、椎間板・靭帯等の組織の影響と神経を囲んでいる骨の背骨の硬さ・動きすぎが大きな理由と考えます。

普段の動きや姿勢の中で、無意識のうちに背骨に負担をかけてしまっている方におきやすいものと考えます。

そのため手術で神経圧迫を取り除いても、普段の動きや姿勢が変わらなければ同じような症状が出る可能性が高いかと思います。

何名かですが、脊柱管狭窄症の再手術でまた入院をする方を見てきました。

当時は正直なぜだかわからなかったんですが、今整形外科専門で働いていると見えてきたものがあるので、ぜひ知っていていただきたいと思います。

 

背骨に負担がかかる理由

 背骨は個々の関節の小さな動きの複合で「大きな動き」を持っています。その大きな動きを持ちながら「身体の安定性」にも重要な役割をもっています。

大きな動きと安定性の二重の機能が必要になっています。

 

体の硬さによる背骨の負担

背骨は25個の骨からなり、柔軟性に富んだ動きが可能な部分です。

「猫の丸まった姿勢」とまではいきませんが、ヒトの体も関節が一つ一つ動くことで柔らかく、しなやかな動きをする部分です。

 

そのしなやかな動きをする背骨に硬さができてしまった場合、それでもその身体は動きます。

硬さも何事もなかったかのように動きます。

それがヒトの身体の優れている点ではありますが、背骨の動きのバランスは徐々に崩れてきます。

硬さができたことによって動けない部分と、硬さを補おうとしていま以上に動く部分外出てきます。

反対に、過剰な使いすぎ(反り腰等)によって動かなくても良い部分ができ、長い目でみるとそこが硬さとして出てきます。

動きのバランスが崩れることによって、骨の動きが制限もしくは過剰に動いてしまい、背骨の中の神経にまで影響すと痛みとして症状が出てきます。。

そのため、背骨の硬さを感じている方は、背骨のストレッチをお勧めします。

 

曲げ伸ばし・左右の横に倒す・左右に回すと言う6つの動きがあります。

その動きを出すようなストレッチをしておくことが大切です。

 

なお、手術で金属を入れている方で、担当医から気をつける動き等の指摘のある方は無理に動かさないようにしてください。

動かした際に神経痛のような嫌な痛みが出る方も同様に気をつけてください。

 

 

筋力の弱さによる背骨の負担

 

人の体は構造上体幹の筋力が必要になっています。

体幹の筋力の弱さが起きると、本来筋肉で支える部分の重さが背骨に負担となってきます。

その重さは背骨に負担をかけ、関節の硬さや動きすぎを誘発します。

それによって神経の圧迫を起こしてしまいます。

 

手術をすると痛みは取れますが、今の体の筋力の弱さは変わりません。

痛みがないだけで、潜在的にかかっている腰の負担も変わっていません。

手術した後であれば、運動することでの痛みは強くないと思うので、いま筋力をつけて背骨にかかっている負担を減らすことが大切だと考えます。

 

体幹筋力と言うと、頭を上げるような腹筋・背中をそらすような背筋と考える方が多いと思いますが、姿勢を保つ筋肉は大きな動きでは力が入りません

姿勢を保つことが目的なので、身体の動きが大きく伴わない運動が必要になってきます。

私がおすすめしているのは、「ドローイン」のような呼吸を用いたトレーニングです。

(ドローインの詳細は検索で出てきます。)

最初は寝ているところから行っていただき、感覚がつかめてきたら立った状態や歩いてる状態で行えるとよいと思います。。

より慣れてきたら、お腹に力を入れた状態で頭を上げるような腹筋を行い、徐々に負荷を上げていってもらえることが筋力の向上につながります。

 

ドローインでは体の奥にある腹横筋(ふくおうきん)・多裂筋(たれつきん)という筋肉が 働きます

腹横筋・多裂筋は体の奥の、骨に近い部分についているため、鍛えたからといって身体の表面にわかるような変化はあまり出ません。

ですが、動いたときの疲れにくさは変わってきます。

私は予防目的に体幹筋のトレーニングを日常的に行っていますが、1日働いても1日歩き通しても軽い疲労感はありますが、特別どこかが痛い・辛いなどは感じません。

日常の中で体力的に「疲れた」と感じることはほとんどなく、学生の頃より体力があるように感じています。

体幹の筋力がつくと1日の中で動け量が変わってくるので、自然に運動量も上がってきたように感じます。

 

体幹筋力は意識をしないと落ちていきやすいものです。

脊柱管狭窄症で手術をされた方は、背骨の近くの股関節等にも負担がかかっていることが多いです。

体幹筋力をつけることで、背骨自体の負担も減らすこともできます。

身体の重さを体幹で支えられることで、他の関節にかかる負担変わるので他の関節の予防にもつながります。

できるところからで良いので、長く長く続けてください。

一番難しいですが、やっぱり継続は一番大切です。

 

 

 

 

脊柱管狭窄症の患者さんで「親も同じで、遺伝だから」や「年齢もあるからね」という方もいます。

なりやすい遺伝子や年齢を重ねた影響はあると思います。

ですが、それだけではないと思います。

 

起こることには原因があります。

できることは改善して、自由に動ける身体にしていきましょう。

 

 

 

 

変形性膝関節症 -歩くときの痛み-

 

前回の続きです。

膝関節が痛い方で問題になることが多い「歩いた時の痛み」です。

痛みの出るタイミング・場所は様々です。

現在の症状に近いものを参考にしていただければと思います。

 

 

歩き始めが痛い

 

  • 歩いて2 3歩目が痛い
  • 痛いの超えると長く歩ける
  • 座って膝を曲げ伸ばししても痛くない
  • 鈍い痛み方がする

 

足首の硬さの影響が強いと考えます。

歩き始めは何歩か歩いた後とは違い、股関節の動きが出にくい状態です。

歩くときは 足首-股関節-腰 で体重をうまく受け流していくことが大切になってきますが、歩き始めの股関節が使いにくい状態で足首が硬くなってしまうと、膝で体重を受けることになります。

足首のストレッチを行うことが大切だと思います。

 

 

 

 歩くと痛い

歩いた際の痛みはいろいろなものがありますが、基本的には➀身体の硬さ②筋力の弱さがあることで膝の負担が増えている状態です。

 

前側の痛み
  • 家の中等の短い距離では痛くない
  • 膝の表がわが痛くなる
  • 太ももの前が張る
  • ズキズキする痛みではなく重い痛み
  • 少し休むと痛みが減る
  • 翌日には残らない痛み

 

太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋:だいたいしとうきん)の負担が大きくなっています。

筋肉の使い過ぎの痛み、少し休むと回復する・ズキズキする痛みではないのが特徴です。

 

 

内側・外側の痛み

 

  • 嫌なズキズキするような痛み
  • 体重がかかると痛い
  • 歩きすぎると翌日に痛みが残る
  • 歩いている時に休むと痛みは引くが、完全には引かない
  • もう歩きたくなくなるような痛み
  • 歩きすぎると腫れることがある

 

 膝関節自体の痛みです。

体重がかかった際に膝関節にかかる負担が増えていると考えます。

痛みがひどい・腫れがひどい場合は、運動として歩くことをとりいれるのはあまりおすすめしない状態です。

 

 

前側の痛み、内側・外側の痛みも出ている症状は違いますが、身体の硬さの改善・筋力の改善で痛みを減らすことは可能だと思います。

 

➀身体の硬さ

膝関節が痛い方は、足首>>>背骨>股関節 の割合で身体が硬くなっている印象です。

足首の柔らかさは、足を筋肉ではなく骨で身体を支えやすくしてくれます。

筋肉で身体を支えるのはエネルギーを使いますが、骨での支えはエネルギーを使わず、それぞれの関節の負担がかかりにくい形で支えてくれます。

骨の支えを使って歩けると疲れにくくなりますよ。

背骨の柔らかさは、頭・両腕・胸・お腹の体重の半分以上はあるであろう重さを、足の支えやすいところにもっていってくれます。

腕を伸ばして物をもつのと、腕を曲げて物をもつのでは重さが違いますよね?

背骨の硬さは足に対して、「腕を伸ばして物をもつ」状態になっています。

背骨をやわらかくして足を負担を減らしていきましょう。

 

股関節や肩甲骨はストレッチとして注意している方も多い印象ですが、足首・背骨も動く上では大切です。

とはいえ、やりやすいところからでも良いので柔らかい身体を作りましょう。

 

 

②筋力の改善

膝の痛みのある方の筋トレをみていると、太ももの前の筋肉の大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を鍛えるものが多い印象ですが、それ以上にお尻の筋肉が大切だと思います。

お尻の筋肉を鍛える運動にはスクワットもありますが、膝の痛い方には負荷が強いことが多いのでおすすめしていません。

膝の負担を考えると、「ブリッチ」がよいかと思います。

検索してもあまり良さそうなものがなかったので、簡単にですがブリッチのイメージです。

 

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この運動で膝に負担がかかる感じがする場合は、膝の間に厚く畳んだバスタオルを入れてみてください。

筋肉の使い方が変わってくると思います。

 

 

膝関節は足の真ん中にある関節なので、他の関節からの影響を受けやすい部分です。

痛みのある部分だけではケアが不十分になってしまうので、身体全体の調整を行うつもりで身体のケアをしてもらえると良いかと思います。

 

すべての運動に言えることですが、ストレッチも筋トレも「ズキズキする」・「うずく」ような、嫌な痛みのない範囲で行ってください。嫌ではない刺激の感覚であれば辛くない範囲で行って大丈夫です。

痛みは良くない刺激の合図です。どうか、無理はしないでくださいね。

 

 膝関節が強い痛い方で、「痛くても歩かないとダメなんでしょ? リハビリが痛いのはしょうがないんでしょ?」と歩いている方がいました。

リハビリの世界も大きく変わってきていて、ひどい痛みのあるリハビリはもうほとんどないんじゃないかと思っています(手術後すぐは例外ですが・・)。

痛みがひどい時は無理されないでくださいね。

 

膝の痛みがある方へ -歩くとき以外の痛み-

 

膝関節は痛みの出る方が多い印象です。

「膝が痛い」と一口に言っても、いつ・どこが・どのように痛いかで原因は大きく変わってきます。

痛みの出かたが近いものを参考にしていただければと思います。

 

また、変形性膝関節症や半月板損傷、靭帯損傷等の診断名がある方もいらっしゃると思います。

同じ診断名でも出る症状は異なってくるため、診断名に関わらず症状から考えています。

 

 

 

何もしていないのに痛い

座っている・横になっている(膝に体重がかかっていない)状態で痛い

 

■ずっと同じように痛い
  • 座りはじめから10分後も変わらす同じように痛い
  • 膝のお皿の周囲が痛い
  • ズキズキするような痛み
  • 膝が熱を持っている・腫れている
  • 痛いところを押すと痛みが強くなる
  • 座った状態で膝を動かすと痛みが増す or 変わらない

 

安静が必要です。

何らかの理由で膝に負担がかかり組織に傷がついていると考えます。

熱を持つ•腫れる症状が強ければ氷水等で冷やしても良いと思います。

あまりにも痛い・痛みが2‐3日間変わらない(軽減しない)等の症状であれば、早めの病院受診をおすすめします。

 

明らかに捻った・ぶつけた等の原因がある方は安静にしていれば症状は改善してくると思います。

明らかな原因がない方で、歩行後に痛くなった方は歩くことで膝に負担がかかっている可能性があります。

あとで書くの「歩いて痛い」も参考にいていただければと思います。

 

 

■時間が経つと痛くなってくる
  • はじめは痛くないのに同じ姿勢をとっていると痛くなる
  • 痛みの範囲が広い(手のひら以上の範囲)
  • 痛みのある場所を押しても痛くない
  • 膝の表(お皿側)より裏•外側が痛い
  • ズキズキする痛み方ではなく、奥に鈍いような嫌な痛み方がする
  • 姿勢を変える•少し動くと痛みが減る

 

神経痛の可能性があります。

背骨が硬くなったことで神経を刺激し痛みを出している可能性があります。

硬くなった背骨が動き出すことで神経への刺激を減らすことができます。

ご自身の知っている運動でよいので、背骨•肩甲骨周りのストレッチをおすすめします。

 

また、座っていて痛みが出る場合には体幹の筋肉の弱さも影響していると思います。

ストレッチと一緒に体幹(インナーマッスル)の筋肉を使うようにしましょう。

体幹を使うには、座っている間姿勢を気をつけることが大切です。

姿勢を気をつける時は、「背筋を伸ばす」だと背骨の動きを小さくしてしまうので、おすすめしません。姿勢は「お腹に力を入れる」というのがポイントです。

この姿勢はもちろんずっとは続きません。

テレビCMのたびに等、なにか気にするきっかけを持つことが長い目でみて継続できるかなと思います。

姿勢の他に体幹筋力を付ける運動としては「ドローイン」で出てくる運動が良いかと思います。

取り入れやすい方をやってみてください。

 

 

 

立つと痛い

立ち上がり動作・立ったままでいるのが痛い

 

■立ち上がりで痛い
  • 座っている状態では痛くない
  • 座った状態で膝を曲げ伸ばししても痛くない
  • 立ち上がる時が痛い
  • 痛みや鈍い痛み or やや鋭い
  • 痛みの場所はいつも同じ
  • 立ち上がった後歩くのは痛くない

 

股関節・足首の硬さの影響が膝にでていると考えます。

立ち上がりは関節によっては歩くとき以上に関節の柔らかさが必要になります。

股関節・足首の動きが硬いために、膝関節に必要以上に負担がかかる場合があります。

膝周りのマッサージや筋トレではなく、股関節を内側に捻った(つま先が内側を向く)状態で股関節を曲げる運動・つま先を上にあげる運動・足首を回す運動等が良いかと思います。

 

■立っていると痛くなる
  • 立ちっぱなしが痛い
  • 歩くのはあまり痛くない
  • 痛い部分が裏側か外側
  • 痛みの範囲が広く、太もも・ふくらはぎまで痛くなる
  • 鈍く奥が痛いような痛み
  • 軽くしびれる感じがする
  • 動き出すと痛みが減る

 

神経痛の可能性があります。

座っていても痛い方・立っているときだけ痛い方では原因が異なります。

 

●座っていても痛い

「何もしなくても痛い」ー「時間が経つと痛くなってくる」と同様に背骨の硬さが影響していると考えます。

立っている状態・座っている状態で痛みの強さ・範囲は変わりありませんか?

 

<立っている方が痛い>

背骨を伸ばす動きが硬い方が多いです。

床に座り可能であればあぐら等の股関節を開いた状態で、骨盤を動かさないようにしながら背骨を伸ばす方向にストレッチしてみてください。

<座っている方が痛い>

背骨を曲げる動きが硬い方が多いです。

イス・床に座った状態で骨盤と一緒に背骨の曲げ伸ばしをしてみてください。

 

 

●立っている時だけ痛い

股関節や足首の硬さによって立っている姿勢が腰に負担をかけていることがあります。

膝が痛くなる側の股関節と足首を柔らかくすることが大切です。

またその方によっては、お腹に力を入れておくことで痛みを減らせる方もいます

その方は体幹の筋力をつけても痛みを減らすことは可能と考えます。

ですが、体に硬さがあると将来的に近い症状が出てくる可能性があるため、股関節と足首のの柔らかさを作っておく事は予防として大切だと考えています。

 

しゃがむのが痛い

 

■しゃがめない
  • 膝の内側か外側が痛くてしゃがめない
  • 座った状態•寝た状態で膝を曲げた時に痛みがある
  • 膝が完全に伸びない
  • 膝を曲げた時にかかととお尻がつかない

 

膝関節自体の動きが硬くなっていて痛みを出していると考えます。

膝関節の骨の動きを正確に出すことは難しいため、膝の裏のマッサージが良いかと思います。

膝の裏をマッサージしながら、少し膝関節の隙間を作るようなつもりで軽く引っ張ってもらえると、軽い硬さでしたら改善する可能性があると思います。

引っ張った時にズキズキするような痛みが出た場合はあまり無理はしないようにしてください。

 

■しゃがんでいると痛くなる
  • しゃがんだ時に足首の前側が詰まるような感じがする
  • しゃがみはじめは痛くない
  • しゃがんでいるとお皿の前が張ってくるorすねの前が張ってくる
  • かかとを上げてしゃがめば痛くなくできる 
  • しゃがむ以外ではほとんど痛くない

 

足首の硬さが膝に影響していると考えます。

つま先を上に上げる動きが硬くなると、しゃがんだ時に膝で体重を受けることになります。

 つま先を上げるストレッチをお勧めします。

アキレス腱伸ばしのようなイメージの運動で良いかと思います。

ふくらはぎが伸びている感覚がない場合は運動が正確にできていないことがあるので、手順を確認していただけると良いかと思います。

 

 

寝ている時に痛い

 

■寝返りで痛い
  • 普段歩いている時も少し痛みがある
  • 膝が深く曲がらない、または完全に伸びない
  • 寝付けないほどでは無いが、寝始めも痛い

 

膝関節自体の硬さと組織に軽い炎症がある可能性があります。

寝るときは膝が完全に伸びる方向に力がかかるため、それが負担となり痛みを出すことがあります。

寝る際に膝が完全に伸びないよう、膝下に丸めたバスタオルやクッション等を入れてみてください。

バスタオルやクッションを入れて痛みが改善した場合でも、膝に負担がかかりやすい体となっている場合があります。

できる範囲で良いので、股関節•背骨•足首のストレッチを行うことが今後の予防に大切になると考えます。

 

■じっと寝ていて痛い
  • 寝始めは痛くない
  • ズキズキするより鈍い痛みがある
  • 痛みの範囲が広い(手のひら以上)
  • 膝を動かして痛みはない
  • 膝を伸ばして仰向けに寝た状態で、腰に両手を入れると腰の下で手がつく
  • 腰を痛めた経験がある
  • 首が凝りやすい

 

神経痛の可能性があります。

仰向けが腰に負担のかかりやすい姿勢になっており、じっと寝ている間に腰に負担をかけていると考えます。

仰向けに寝る際、腰に持ち上げられない程度のバスタオルを入れてみてください。

仰向けになった際に腰が浮いてしまう方は、日中の姿勢が反っているか背筋を使いすぎていることが多いです。

気づいた時で良いので、普段からお腹に力を入れるようにしてみてください。

 

 

 

長くなってしまったので、歩いた時の痛みについては分けて書きます。

 

膝関節の痛みは特に、膝関節自体の痛みがある方より他の関節から負担がかかって痛みが出ていることが多いような感じがしています。

身体の動きのバランスが崩れた状態が長くなると「何もしていないのに、気が付いたら痛みが出た」ということになりやすいと思います。

膝関節以外の関節でも、痛い部分以外を動かすことで痛みが軽くなる方はたくさんいます。

辛くない範囲のできる運動から行ってみてください。

いま痛みがない方でも、その運動は予防となり将来の身体を助けてくれると思いますよ。

 

すべての運動に言えることですが、ストレッチも筋トレも「ズキズキする」・「うずく」ような、嫌な痛みのない範囲で行ってください。嫌ではない刺激の感覚であれば辛くない範囲で行って大丈夫です。

痛みは良くない刺激の合図です。どうか、無理はしないでくださいね。

 

 

臼蓋形成不全•先天性股関節脱臼

私のツイッターでは股関節疾患の方が多くフォローしてくださっています。

ありがとうございます。

 

臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼の方は痛みが出る前に診断されている方も多いと思います。

そのためか、予防などに対して関心が高いのかなぁという印象です。

予防はすごく大切なことですよね。

 

おそらく心配なのは今後の「痛み」や「歩けなくなる」ことではないでしょうか。

痛みまでいかなくでも違和感が続く等の症状も不安になりますよね。

臼蓋形成不全・先天性股関節脱臼・変形性股関節症等の股関節疾患の方でも、それほどの痛みを抱えていない方もいるんです。

 

股関節疾患の方のレントゲンをみて、理学療法士の学生でもわかるような明らかに股関節の被りが浅い方の痛みが強くなかったり、

強度な変形があっても痛くなく歩けていたり、

反対に、レントゲンを上はそこまで変形は強くないのに痛みは強かったり・・。

その方の骨の対応性や、組織の柔らかさ、他の関節が股関節をカバーできるかで変わってきます。

 

 

股関節疾患の患者さん

いま診ている患者さんの中には、股関節の被りがおそらく1/3くらいなんじゃないかという患者さんが2人います。

1人は両股関節が1/3程度の被りの方。

幼少期に股関節の手術経験があり、長く動くと痛い・重くなるという訴えで来院しました。知人の紹介でいらっしゃった方ですが、股関節は人工関節しかないと考えていたそうです。

現在彼女は以前よりは歩行距離が伸び、雪道を歩いても痛みがなかったとのことです。今度行けたら娘さんとディズニーに行きたいと言っていました。

 

2人目は片側の股関節が1/3程度の被りの方。

幼少期に股関節脱臼があり、ギプス装着していたとのことです。彼女も股関節は手術しかないと考えていたそうです。

彼女は腰を痛めたことで股関節の痛みが増強・歩行困難で来院しました。担当して3カ月程ですが、この前小走りができていました。スーパーの帰りに薬局によるのが辛くなくなりましたと言っていました。

 

もちろん順調に良くなる方ばかりではありませんが、理学療法でよくなる方もいます。

人工関節も良い手段だと思います。

ただ、手術しかないと思いながら我慢していくのと、理学療法をしながら考えていくのでは気持ちの負担が違うのではないかと思います。

 

予防

股関節疾患の患者さんにとって必要な体の機能としては、身体の柔軟性・体幹筋力が大切だと思います。

  • 身体の柔軟性

➀股関節の柔軟性

おそらくご本人も気にかけている部分だと思います。

股関節のストレッチとして多いのは床に座った状態で開脚して・・というものが多いのではないでしょうか。

ですが、歩く時股関節はそれほど曲がっていないですし、それほど開くこともないんです。

歩きのための股関節のストレッチであれば立ったまま行うのも一つだと思います。

ラジオ体操のような動きでも良いかと思います。

ただポイントが一つあります。

それは、骨盤・股関節を動かすことです。

股関節疾患の方は腰で動きがちになるので、骨盤‐股関節で動かすように注意してください。

 

②背骨の柔軟性

背骨は頭蓋骨の下から、首の頸椎(けいつい)ー背中の胸椎(きょうつい)ー腰の腰椎(ようつい)がメインです。

股関節疾患の方は腰の腰椎の使いすぎと背中の胸椎の硬さがでている方が多いです。

なので、背中の胸椎のストレッチが必要です。

方法としては、あぐらでストレッチを行うことです。

あぐらが難しい方は開脚してちょっと背中を丸める形でも十分です。

その状態で、お尻が離れないように横に身体を倒すストレッチが背中の動きを出してきます。

 

これは何回腹筋ができるか、という筋力ではありません。

腹圧(お腹をひっこめる力)の筋力のことを言います。

 

「ドローイン」と調べるとたくさん出てきます。

その筋力が必要になってきます。

 

体幹はヒトの構造的に不可欠な筋力です。

体幹の筋力が付くと頭・胴体・腕の重さを体幹で支えられるので、股関節にかかる重さとしての負担が軽減できます。

股関節の負担軽減としては効果的な運動になります。

 

※すべての運動に言えることですが、ストレッチも筋トレも「ズキズキする」・「うずく」等の嫌な痛みのない範囲で行ってください。嫌ではない刺激の感覚であれば辛くない範囲で行って大丈夫です。

痛みは良くない刺激の合図です。どうか、無理はしないでくださいね。

 

 

 

日々患者さんをみていて思うことは、

臼蓋形成不全•先天性股関節脱臼・変形性股関節症=痛い

ではないと思います。

ケアを行わないと痛みが出やすくなる可能性は高いですが、ケアを行わなことで痛みが出る可能性があるのはみんな同じです。

ご自身の身体と付き合いながら、ケアしながら生活していくのが一番だと思います。

できる範囲からでよいので、身体をケアしていきましょう。

 

理学療法士の仕事

何の仕事なんですか? ー リハビリの仕事です!

 

理学療法士の名前はだいぶ知られているようで、プライベートで会う方の半数くらいの方はなんとなく仕事の内容を知っているんだなぁという感覚があります。

ですが一般的なイメージと、実際に行っている仕事内容には大きく違いがある印象です(どの職業もそうかもしれませんが・・)。

私が考える病院勤務の理学療法士の仕事と、その他の人の身体をさわる仕事との違いを紹介していきます。

 

 

理学療法士の仕事

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患者さんをマッサージしたり、

患者さんと体操したり、

患者さんと一緒に歩いたり、

とのイメージが強いかと思いますが、理学療法士の仕事は患者さんと一緒に運動することではありません。

理学療法士の仕事は、「運動を通して治療すること」です。

理学療法士は新生児~終末期まで関わることができるので、働く科によって違いはありますが、基本的には治療することが目的です。

私はその場でのみ身体をよくすることが治療ではなく、よい状態を維持できるような身体にすることが治療だと思っています。

 

マッサージも体操も一緒に歩くのもそれ自体が目的ではなく、その運動を通してその患者さんの身体を治療するのが理学療法士の仕事です。

いま私が働いている、外来のみの整形外科だと特にその色が強いように感じます

 

理学療法士の行う仕事にマニュアルはありません。

患者さんの多様な症状に合わせ、自分で治療を組み立てています。

解剖学・運動学・生理学というヒトの基本的な部分の知識から、患者さんの症状を照らし合わせ痛みを出している原因を探していきます。

 

症状の出かたで原因は変わってきます。

その方のこれまでのケガ・ご病気の影響でも身体は変わってきます。

その方の生活習慣でも身体は変わってきます。

なので、私は患者さんにたくさん質問します。

いつ痛い? これまでのケガ・ご病気は? お仕事は? 趣味は?・・

など、治療に関係あるんですか?と聞かれることもありますが、その方の身体のエピソードを把握することはとても大切だと思っています。

もちろん、雑談もしますよ!

雑談の中に治療の大切な情報が引き出されることも多くありますしね。

 

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「自分の頭で考えて自分の手で触ることで患者さんの痛みを取れる」

私はとてもやりがいのある仕事だと思っています。

人と関わるのも好きなので、働いていてすごく楽しいです!!

始めは痛くて表情が暗かった患者さんが、痛くなくなりました!!って明るい表情に変わるときが一番嬉しいですね!

 

ただ、仕事でストレスになることがあります。

それは、患者さんの身体を思ったようによくできていない時です。

患者さんから身体が変わらないと言われるものではなく、自分でよくできていないと感じる時がすごくもやもやします。

その時にはまた勉強します。また考え直しをします。

それを繰り返していくとよくできる患者さんは多くなっていきます。

また、これまでより早く患者さんをよくできます。

考えることを止めて働いてはいけない仕事かなと思っています。

 

似ている仕事との違い

いま人の身体にさわる仕事はたくさんありますよね。仕事内容と一緒によく何が違うのかと聞かれるので、まとめてみました。

 

柔道整復師

理学療法士との大きな違いは自分で診断して応急処置ができる・働ける分野の違いだと

思います。

  • 自分で診断

私たち理学療法士は「医師の指示のもと」で働くため、自分たちで診断することはできませんが、接骨院柔道整復師は捻挫・脱臼等の診断を付けることができます。

  • 応急処置

脱臼した肘を入れる、骨折部を整復する・ギブスで固定する等のことは理学療法士はできません。

  • 働ける分野

柔道整復師はケガがメインの仕事のため、接骨院・整形外科がメインです。

理学療法士はケガの処置後の方はもちろん、病気の方のリハビリにも関われます。

脳・心臓・呼吸・糖尿病・内科・小児等、病院勤務だけでも多くの分野があります。

 

柔道整復師がマッサージを行うことも多い様ですが、おそらく診断したことに対するものだと思います。

 

鍼灸師

鍼灸師との大きな違いは、鍼灸師東洋医学をもとに、理学療法士西洋医学をもとにしていることです。

なので鍼の治療の背景や組み立ては私はよくわかりません。

ですが、効果のある方はすぐ効くと言いますよね。

 

リラクゼーション店

駅ビルなどにあるマッサージと何が違うの?と聞かれることがありますが、マッサージは資格が必要な仕事なので、おそらくマッサージを連想するリラクゼーションのお店のことだと思います。

そのようなリラクセーションのお店との違いは、その場の辛いものを対処的に楽にするか、その辛いものを根本的に治療するかだと思います。

  • 対処的

リラクセーションのお店は、仕事が忙しくて・歩きすぎて身体が疲れた等で行く方が多いのではないでしょうか。足が疲れていたら足のリラクゼーションを中心に行うかと思います(私自身そういうお店に行ったことがないので聞いた話ですが・・)。

  • 根本的

理学療法士はその場の辛いものにアプローチするのではなく、原因を探していきます。

片足の裏側がちょっと張ったような感じがする、という症状の方に足を確認でさわりますが、患者さんに説明し症状の原因と思われる腰を中心にさわったりします。

元のご病気・ケガによっては完全に症状を出さないことが難しい場合もあります。

また、痛いところもマッサージして欲しいという方には軽くマッサージを行う場合もあります。

 

 

私がよく聞かれることはこのくらいです。

同じく人の身体にさわる仕事ですが、少しずつ目的が変わってきます。

 

 

これから理学療法士になる方・新人理学療法士の方へ

すごくやりがいのある仕事ですが、やりがいに繋がるまで私は辛い想いもたくさんしました。

特に、以前働いていた脳外科で新人の頃はずっと

  • 私が担当していなかったらもっと良くなるんじゃないのかな。
  • 私のせいでこの患者さん・・。
  • 自分に力がないから・・。
  • もっともっと勉強しなきゃない・・。

と何度も何度も何度も思いました。

なんて責任のある仕事についてしまったんだろう、私なんかは辞めた方がいいのかな、と治療する責任が辛いことがありました。

本当に辛かったです。

本当に辞めようかと思いました。

 

でもあるときに、力のない自分を責めるだけじゃ何も成長しないと思いました。

歯を食いしばって、良くできなかった患者さんへの気持ちを絶対に忘れないで、いまの患者さんに繋げようと。

そこから自分で積極的に勉強を始め、自分の頭で考えていけるようになりました。

私の勉強に付き合ってくれて、自分で考えて行くことを支えてくれる先輩がいたおかげもあって、いまの自分がいるなと思います。

 

私の過去のような想いを抱えている理学療法士の方がいたら、一緒にがんばりましょう。

どうしてもどうしても疲れてしまったら辛くなる前に働き方や分野を変えましょう。

 

理学療法士の仕事の責任をちゃんとわかっているほうが、私はいい理学療法士になると思っています。

よりよい理学療法士になるよう、がんばります!

 

 

歩くこと:効果的な運動ですか?

 

運動することは大切です。

その選択として歩くことは手軽で取り入れる方が多いのではないでしょうか?

ただ、歩くことは身体に「効果的な」運動になるのでしょうか?

 

 

 

歩くこと

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歩くことは全身運動として多くのメリットがあり、運動機能だけでなく認知機能面でもメリットがあると言われています。

メリット

  • 全身血流の改善
  • 心肺機能の維持
  • 筋力・関節の可動性の維持
  • カロリー消費
  • 視覚・嗅覚・聴覚等への感覚刺激
  • ルートの想起と決定
  • リフレッシュ

..などの多くのメリットがあると思います。

私も時間があるときは電車・自転車等を使わずに歩くようにしています。

天気のいい日にちょっと歩いたりすると、なんとなく気分もすっきりしていいですよね。

 

 

効果的な運動?

ですが、普通に歩くだけでは筋力・関節に関しては維持が目的になってしまいます。

現状維持であれば歩くことでもよいのですが、

「歩くことで身体(筋力・関節の動き)をより良くしよう!」

というのはちょっと難しいかもしれません。

 

歩くことはトレーニングになるのか?

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私は歩くことでは弱い筋肉のトレーニングにはなりにくいと思っています。

おそらくほとんどの方が差はあれど毎日歩いていますよね?

通勤・通学、買い物、家の中で等、日常生活の中で歩く機会はあると思います。

日常生活上で弱い筋肉がある=日常的に使えていない筋肉

が弱い筋肉の正体です。

 

筋肉を使わなくても歩ける?

歩き方は変わりますが、理論上は大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)や大臀筋(お尻の筋肉)が使えなくてもヒトは歩けます。

一部の筋肉を使わなくてもヒトは歩けるんです。

日常生活の歩く中で筋肉を使えていない理由は、

  • 身体の硬さにより関節の動きが出ていない
  • 姿勢が悪い、または反りすぎていて身体の筋肉が使いにくい
  • 骨格の違いがあり、使いにくい筋肉がある

など、いろいろな要素が相まっていることが多く、断定は難しいものです。

ですが、言えることは日常生活の延長の歩行では、弱い筋肉のトレーニングは難しいということです。

 

トレーニングのためには

弱い筋肉は普段の生活で使えていない筋肉なので、個別に筋トレするのがおすすめです。

下半身の全体的な筋トレであれば、痛みがなければスクワット等が手軽でよいかと思います。

 

歩くことでは弱い筋肉のトレーニングは難しいです。

運動として歩くことを取り入れている方は、「何のために歩くのか」を一度考えていただけると良いかと思います。

 

 

歩いて痛み出ていませんか?

多くの患者さんによく、

「痛くても歩いた方がいいんですか?」

と聞かれますが、歩いてズキズキ・疼く・痺れがでる等の痛みの方は、あまりおすすめしません。

 

痛み・違和感は負担がかかっている信号

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歩く速さが変わらない程度の痛み・痛みまでいかない違和感・いつも同じところが張る等の方は、歩くことが少し体の負担になっていると考えていただけると良いかと思います。

基本的に痛みは身体に良くない刺激です。

その状態で歩く時間・距離を延ばすことは身体に良いものとなるでしょうか?

 

痛くない歩行のために

歩いて痛み・違和感の出る方は、歩くことで身体の一部にかかっている負担を減らしていくことが必要です。

家の中でできるストレッチ・筋トレを行いながら、無理のない範囲で歩くことがよいかと思います。

歩く距離・時間を延ばす際は、 

  • 歩いている時の痛みがなくなる
  • 歩いた後の特定の部位が張ることがなくなる
  • 部分的な痛み・疲労感が続かない

など、身体と相談しながら徐々に変えていくことがよいと思います。

 

無理していませんか?

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患者さんのなかには、

「痛くても歩かないと!(‥歩けなくなってしまうのが心配)」

という方がいらっしゃいます。

ご家族で無理をして歩いている方はいませんか?

お気持ちはわかります。不安な気持ちはありますよね。

ですが、歩くことも含め、運動はがむしゃらにやれば良いものではありません。

無理な運動はケガだけでなく、その無理からきた痛みが出てくることもあります。

 

他の方と比較するのではなく、ご自身の身体と相談していくことが大切です。

痛みが出ている中で運動として歩いている方も、「何のために歩くのか」を一度考えていただけると良いかと思います。

 

 

 効果的な運動

「たくさん歩きましょう!」

「一日一万歩を目標に歩きましょう!」

など、歩くことが推奨されることはよく見かけます。

歩くことでのメリットはたくさんありますが、「効果的な」運動として歩く場合はいかがでしょうか。

 

運動は手軽に行えます。

いまはインターネットではもちろん、テレビでも健康番組等が多く情報は入りやすいですが、適切に効果的な運動をするには情報・注意点についてはまだ不十分だと思っています。

運動は手軽にできますが、ちゃんと行うのは難しいことです。

今ある情報を活かしながら、運動の意味・目的を考えながら、ご自身の身体と相談していけるといいですね。

 

 

 

 

変形性股関節症:痛み・歩行

 

股関節の痛み:歩行

女性に多い股関節疾患ですね。

痛くて歩くのが大変という症状で来院される方が多い印象です。

臼蓋形成不全・先天性股関節脱臼等、以前から指摘されているものがあり症状が出てくる方、日常的な負荷が原因で症状が出てくる方もいます。

「もともと股関節が悪いから・・」

「年齢的なものもあると思うから・・」

と、痛み・硬さに対して言われる方が多い印象です。

 

変形性股関節症の方の痛みは関節が浅いから出てくるのではありません。

年齢を重ねたから出てくるものではありません。

 

股関節の中で負荷が一部にかかっている影響で痛みが出ていることが多いと思います。

 

レントゲン上で関節の被りが浅い方でも痛みの少ない方はいます。

一生股関節の痛みを知らないでいる方もいます。

 

股関節は動きがが大きい関節です。

ですが、股関節自体の硬さの影響・他の関節の硬さの影響から、関節の中で体重を掛ける部分が限局してしまっている場合があります。

その負荷の蓄積が痛みとなって出てきている方が多い印象です。

 

特に以前から指摘されている臼蓋形成不全・先天性股関節脱臼等がある方は、長い間無意識で足関節・膝関節・背骨・肩甲骨等、全身で股関節を守っています。

股関節を守っていた他の関節・筋肉が硬くなることで股関節を守りきれなくなり、痛みが出てくることがあります。

 

 

 

 

痛みの軽減:身体のケア

 

痛みの出ている部分のケアは行う方が多いと思うのですが、他の関節からでも痛みは減らせます。

特に、背骨・足首のストレッチ、インナーマッスルの筋トレは大切です。

 

背骨

背骨・肋骨の動きが出ることで、股関節の上半身の重さのかかり方が変わります。

また腰周り(腰椎:ようつい)が柔らかくなると骨盤の動きが出せるようになり、股関節(大腿骨-骨盤)の負荷が変わります。

◎ストレッチ

座った状態でお尻が浮かないようにに注意して横に倒すストレッチ。

肋骨の下の方が伸びるように意識してするとより効果的です。

 

足首

ヒトが歩くとき足首・股関節・腰の動きが大切です。

(大切な理由は別記事で書きますね)

特に歩く際の股関節の痛みに関しては、足首の動きを出すことで股関節の被りが増える方向にもっていくことができます。

◎ストレッチ

足首を回す運動をかかとを意識してやりましょう。特にかかとが外側(外くるぶし側)を向くように気を付けてください。

手が届く方はかかとを持って回してください。

かかとには関節(距骨下関節)があります。ヒトが歩くうえで・股関節の負荷を減らすうえで大切な関節です。なんとなくでもいいので動かしてください。

 

インナーマッスル

コア筋・体幹深層筋も同じ筋を指しています。

インナーマッスルは腹横筋(ふくおうきん)・横隔膜(おうかくまく)・多裂筋(たれつきん)・骨盤底筋(こつばんていきん)を指し、体幹の支えを作っています。

ヒトが二足歩行を選択したことから構造的に腰は弱くなり、インナーマッスルの支えが重要になっています。

インナーマッスルの働きはコルセットのようにお腹を締める動きです。

インナーマッスルが機能することで上半身の重さを体幹で支えることができ、股関節へかかる体重負荷の軽減を狙えます。

ただ、見ることも触ることも難しい筋肉です。

でも筋肉がつくことで動き・姿勢の変化は多い筋肉です。

◎筋トレ

ドローインという運動が効果的です。

ドローインのやり方はいろいろありますが、やりやすいのが

「息を吐き切った状態を維持する」

ことだと思います。息を吐き切ったところでぐーっと力が入った状態(腹圧)を維持します。

 

・・はい。けっこう苦しいんです。

私も専門学生の頃、腰痛をこの方法で治したのですが、最初は苦しかったです。

でも徐々に腹圧をいれたまま呼吸ができるようになり、話せるようになり、腹圧を入れたまま歩くこともできた頃には腰痛はなくなりました。

いつでもどこでもできるのがメリットです。

でも忘れてしまいがちなので、夕ご飯の準備をするとき・スーパーの中だけ等、時間を決めて行っていただけるのがい良いかと思います。

 

文面では伝わりにくいのですが・・。

写真検討しますね!

治療していて背骨・足首の動きを出すことで、歩くときの痛みが減ってくる方は多いです。

股関節疾患に限らず、インナーマッスルが弱くなっている方も多いです。

だまされたと思って少しやってみませんか?

 

運動して痛みが出る等のことがあれば、様子を見ながらにしてください。

運動のがんばりすぎで痛めてしまうこともあります。

無理にがんばる以上に身体との相談が大切です。

 

痛みのある部分の運動は怖かったらやらなくても良いと思いますが、できる範囲でのストレッチ・股関節の前側(鼠経部)~太ももの前側のマッサージは良いと思います。

 

できることから初めて行きましょう!