変形性股関節症:痛み・歩行
股関節の痛み:歩行
女性に多い股関節疾患ですね。
痛くて歩くのが大変という症状で来院される方が多い印象です。
臼蓋形成不全・先天性股関節脱臼等、以前から指摘されているものがあり症状が出てくる方、日常的な負荷が原因で症状が出てくる方もいます。
「もともと股関節が悪いから・・」
「年齢的なものもあると思うから・・」
と、痛み・硬さに対して言われる方が多い印象です。
変形性股関節症の方の痛みは関節が浅いから出てくるのではありません。
年齢を重ねたから出てくるものではありません。
股関節の中で負荷が一部にかかっている影響で痛みが出ていることが多いと思います。
レントゲン上で関節の被りが浅い方でも痛みの少ない方はいます。
一生股関節の痛みを知らないでいる方もいます。
股関節は動きがが大きい関節です。
ですが、股関節自体の硬さの影響・他の関節の硬さの影響から、関節の中で体重を掛ける部分が限局してしまっている場合があります。
その負荷の蓄積が痛みとなって出てきている方が多い印象です。
特に以前から指摘されている臼蓋形成不全・先天性股関節脱臼等がある方は、長い間無意識で足関節・膝関節・背骨・肩甲骨等、全身で股関節を守っています。
股関節を守っていた他の関節・筋肉が硬くなることで股関節を守りきれなくなり、痛みが出てくることがあります。
痛みの軽減:身体のケア
痛みの出ている部分のケアは行う方が多いと思うのですが、他の関節からでも痛みは減らせます。
特に、背骨・足首のストレッチ、インナーマッスルの筋トレは大切です。
背骨
背骨・肋骨の動きが出ることで、股関節の上半身の重さのかかり方が変わります。
また腰周り(腰椎:ようつい)が柔らかくなると骨盤の動きが出せるようになり、股関節(大腿骨-骨盤)の負荷が変わります。
◎ストレッチ
座った状態でお尻が浮かないようにに注意して横に倒すストレッチ。
肋骨の下の方が伸びるように意識してするとより効果的です。
足首
ヒトが歩くとき足首・股関節・腰の動きが大切です。
(大切な理由は別記事で書きますね)
特に歩く際の股関節の痛みに関しては、足首の動きを出すことで股関節の被りが増える方向にもっていくことができます。
◎ストレッチ
足首を回す運動をかかとを意識してやりましょう。特にかかとが外側(外くるぶし側)を向くように気を付けてください。
手が届く方はかかとを持って回してください。
かかとには関節(距骨下関節)があります。ヒトが歩くうえで・股関節の負荷を減らすうえで大切な関節です。なんとなくでもいいので動かしてください。
インナーマッスル
コア筋・体幹深層筋も同じ筋を指しています。
インナーマッスルは腹横筋(ふくおうきん)・横隔膜(おうかくまく)・多裂筋(たれつきん)・骨盤底筋(こつばんていきん)を指し、体幹の支えを作っています。
ヒトが二足歩行を選択したことから構造的に腰は弱くなり、インナーマッスルの支えが重要になっています。
インナーマッスルの働きはコルセットのようにお腹を締める動きです。
インナーマッスルが機能することで上半身の重さを体幹で支えることができ、股関節へかかる体重負荷の軽減を狙えます。
ただ、見ることも触ることも難しい筋肉です。
でも筋肉がつくことで動き・姿勢の変化は多い筋肉です。
◎筋トレ
ドローインという運動が効果的です。
ドローインのやり方はいろいろありますが、やりやすいのが
「息を吐き切った状態を維持する」
ことだと思います。息を吐き切ったところでぐーっと力が入った状態(腹圧)を維持します。
・・はい。けっこう苦しいんです。
私も専門学生の頃、腰痛をこの方法で治したのですが、最初は苦しかったです。
でも徐々に腹圧をいれたまま呼吸ができるようになり、話せるようになり、腹圧を入れたまま歩くこともできた頃には腰痛はなくなりました。
いつでもどこでもできるのがメリットです。
でも忘れてしまいがちなので、夕ご飯の準備をするとき・スーパーの中だけ等、時間を決めて行っていただけるのがい良いかと思います。
文面では伝わりにくいのですが・・。
写真検討しますね!
治療していて背骨・足首の動きを出すことで、歩くときの痛みが減ってくる方は多いです。
股関節疾患に限らず、インナーマッスルが弱くなっている方も多いです。
だまされたと思って少しやってみませんか?
運動して痛みが出る等のことがあれば、様子を見ながらにしてください。
運動のがんばりすぎで痛めてしまうこともあります。
無理にがんばる以上に身体との相談が大切です。
痛みのある部分の運動は怖かったらやらなくても良いと思いますが、できる範囲でのストレッチ・股関節の前側(鼠経部)~太ももの前側のマッサージは良いと思います。
できることから初めて行きましょう!