臼蓋形成不全•先天性股関節脱臼
私のツイッターでは股関節疾患の方が多くフォローしてくださっています。
ありがとうございます。
臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼の方は痛みが出る前に診断されている方も多いと思います。
そのためか、予防などに対して関心が高いのかなぁという印象です。
予防はすごく大切なことですよね。
おそらく心配なのは今後の「痛み」や「歩けなくなる」ことではないでしょうか。
痛みまでいかなくでも違和感が続く等の症状も不安になりますよね。
臼蓋形成不全・先天性股関節脱臼・変形性股関節症等の股関節疾患の方でも、それほどの痛みを抱えていない方もいるんです。
股関節疾患の方のレントゲンをみて、理学療法士の学生でもわかるような明らかに股関節の被りが浅い方の痛みが強くなかったり、
強度な変形があっても痛くなく歩けていたり、
反対に、レントゲンを上はそこまで変形は強くないのに痛みは強かったり・・。
その方の骨の対応性や、組織の柔らかさ、他の関節が股関節をカバーできるかで変わってきます。
股関節疾患の患者さん
いま診ている患者さんの中には、股関節の被りがおそらく1/3くらいなんじゃないかという患者さんが2人います。
1人は両股関節が1/3程度の被りの方。
幼少期に股関節の手術経験があり、長く動くと痛い・重くなるという訴えで来院しました。知人の紹介でいらっしゃった方ですが、股関節は人工関節しかないと考えていたそうです。
現在彼女は以前よりは歩行距離が伸び、雪道を歩いても痛みがなかったとのことです。今度行けたら娘さんとディズニーに行きたいと言っていました。
2人目は片側の股関節が1/3程度の被りの方。
幼少期に股関節脱臼があり、ギプス装着していたとのことです。彼女も股関節は手術しかないと考えていたそうです。
彼女は腰を痛めたことで股関節の痛みが増強・歩行困難で来院しました。担当して3カ月程ですが、この前小走りができていました。スーパーの帰りに薬局によるのが辛くなくなりましたと言っていました。
もちろん順調に良くなる方ばかりではありませんが、理学療法でよくなる方もいます。
人工関節も良い手段だと思います。
ただ、手術しかないと思いながら我慢していくのと、理学療法をしながら考えていくのでは気持ちの負担が違うのではないかと思います。
予防
股関節疾患の患者さんにとって必要な体の機能としては、身体の柔軟性・体幹筋力が大切だと思います。
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身体の柔軟性
➀股関節の柔軟性
おそらくご本人も気にかけている部分だと思います。
股関節のストレッチとして多いのは床に座った状態で開脚して・・というものが多いのではないでしょうか。
ですが、歩く時股関節はそれほど曲がっていないですし、それほど開くこともないんです。
歩きのための股関節のストレッチであれば立ったまま行うのも一つだと思います。
ラジオ体操のような動きでも良いかと思います。
ただポイントが一つあります。
それは、骨盤・股関節を動かすことです。
股関節疾患の方は腰で動きがちになるので、骨盤‐股関節で動かすように注意してください。
②背骨の柔軟性
背骨は頭蓋骨の下から、首の頸椎(けいつい)ー背中の胸椎(きょうつい)ー腰の腰椎(ようつい)がメインです。
股関節疾患の方は腰の腰椎の使いすぎと背中の胸椎の硬さがでている方が多いです。
なので、背中の胸椎のストレッチが必要です。
方法としては、あぐらでストレッチを行うことです。
あぐらが難しい方は開脚してちょっと背中を丸める形でも十分です。
その状態で、お尻が離れないように横に身体を倒すストレッチが背中の動きを出してきます。
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体幹筋力
これは何回腹筋ができるか、という筋力ではありません。
腹圧(お腹をひっこめる力)の筋力のことを言います。
「ドローイン」と調べるとたくさん出てきます。
その筋力が必要になってきます。
体幹はヒトの構造的に不可欠な筋力です。
体幹の筋力が付くと頭・胴体・腕の重さを体幹で支えられるので、股関節にかかる重さとしての負担が軽減できます。
股関節の負担軽減としては効果的な運動になります。
※すべての運動に言えることですが、ストレッチも筋トレも「ズキズキする」・「うずく」等の嫌な痛みのない範囲で行ってください。嫌ではない刺激の感覚であれば辛くない範囲で行って大丈夫です。
痛みは良くない刺激の合図です。どうか、無理はしないでくださいね。
日々患者さんをみていて思うことは、
ではないと思います。
ケアを行わないと痛みが出やすくなる可能性は高いですが、ケアを行わなことで痛みが出る可能性があるのはみんな同じです。
ご自身の身体と付き合いながら、ケアしながら生活していくのが一番だと思います。
できる範囲からでよいので、身体をケアしていきましょう。